増量期と減量期というのをご存知でしょうか?
簡単に説明すると、増量期は文字通り体重を増やす期間、減量期は絞る期間です。
今回は、この増量期と減量期について解説します。
なぜ、増量期と減量期があるのか?

筋肉質な体型になるには、筋肉を増やして脂肪を減らす必要があります。
しかし、ここで問題があります。それは、筋肉を増やすことと脂肪を減らすことは同時にはできない、ということです。
筋肉を増やすためには、
- たんぱく質
- 炭水化物
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
といった栄養素が必要になります。
そうです。炭水化物や脂質も必要なんです。炭水化物や脂質を摂れば、脂肪は増えてしまいますよね。
つまり、筋肉を増やそうとすると脂肪も一緒に増えてしまうのです。これは避けることができません。
脂肪を増やしたくないと脂質や炭水化物をカットすると、体内のエネルギーが不足してしまいます。エネルギーが不足したときどのように補うかというと、筋肉を分解してエネルギーにしてしまうのです。いわゆるカタボリック(異化)という状態ですね。
せっかく筋トレをしても、カタボリックが起きてしまえば筋肉は増えません。筋肉を増やしたいのであれば、ある程度脂肪がつくのも仕方がないということになります。
そこで、筋肉と一緒に増えてしまった脂肪を減らすために、減量期というのを設けるのです。
筋肉を増やしたときと同様に、脂肪を減らそうとすれば筋肉も多少減ってしまうことになります。ただ、バランスを調整することは可能です。
筋肉を増やしたい増量期は筋肉をより増やすように調整、減量期はなるべく筋肉が落ちないように脂肪を減らすように調整することで、最終的に理想の体型に近づけることができます。
食事を変えよう
目的が違うので、トレーニングや食事のメニューというのは違ってきます。と言っても、筋トレは、あまり大幅に変化はさせません。
というのは、人間の体はエネルギーが足りなくなれば、不要な筋肉を分解して捻出しようとします。
減量期は、食事量が減ってしまうのでエネルギー不足に陥りがちです。たんぱく質をしっかりと摂取するのと同時に、筋肉に負荷をかけ続けて、脳に必要な筋肉と認識させる必要があります。
もちろん筋肉も減っていく時期なので、どうしても今までと同様の負荷で筋トレをするのも難しくなってきます。なので、なるべくトレーニングの質は落とさず、ほんの少しだけ負荷を軽くするのが減量期の筋トレとなります。
(負荷に耐えられるのであれば、落とさず続行させます)
増量期と減量期で大きく変わるのは、食事面です。ここで大きく関係してくるのは、カロリー収支です。

カロリー収支とは、摂取カロリーから消費カロリーを引いたものです。カロリー収支がプラスであれば体重が増加、マイナスであれば減量となります。
トレーニング量はそこまで変化させないので、消費カロリーは大きく変わりません。つまり、カロリー収支を変えるためには、摂取カロリーを大幅に変える必要があるということです。増量期にはカロリー収支がプラスになるように食事量を増やし、減量期にはマイナスになるように食事制限をします。
しかし増量期だからといってドカ食いをしては、増える脂肪の量が大変なことになります。
増量期は、あくまで筋肉を増やす期間であり、副作用的に脂肪が増えてしまうだけです。なるべく、増える脂肪の量も抑える必要があります。脂肪が増えてしまうと、減量期に減らすのも大変です。
増量期はカロリー収支をプラスにして、あとは炭水化物・たんぱく質・脂質といった栄養素をバランスよく摂るようにします。この比率は、5:3:2が最適な比率です。
減量期は、カロリー収支をマイナスにする必要があります。ただ減らしすぎると、今度はカタボリックが心配です。
カタボリックを避けるのに用いるのが、チートデイというものになります。これは、減量期に特定の日だけたくさん食べてもいい日を設ける方法です。
1日だけドカ食いをすることで、脳に対して「エネルギー足りてますよ」と信号を送ることで筋肉を分解させるのを回避することができます。
ただ、あくまで緊急回避のような手段で、決して減量期間のご褒美の日というわけではありません。むやみに設定しては逆効果だし、必要がなければ設けることもありません。
そもそも必要か?
ここまで、増量期と減量期の概要と意義について解説してきました。
ボディビルダーは、大会の時期に合わせて増量期と減量期を設けています。しかし、このサイトで目指しているのは、あくまで細マッチョです。ボディビルダーのようなムキムキのゴリマッチョではありません。
細マッチョになるために、増量期と減量期は果たして必要なのでしょうか?
細マッチョの定義とは非常に曖昧です。目指す体型によって、増量期と減量期に対する考え方も変わってきます。
ジャニーズなどの男性アイドルのような瘦せ型よりの細マッチョであれば、体脂肪率を落とすことで簡単に筋肉質な体型に見せることが可能です。細マッチョというのは、実用的な筋肉ではなく見た目的な筋肉を求めているのでこれでも十分と言えます。
サッカー選手などのアスリート系スポーツ選手のような細マッチョを目指す場合は、ある程度しっかりとした筋肉が必要になります。筋肉を増やそうとすれば脂肪も多少増えることは避けられないので、この場合は増量期と減量期を分けた方が効率が良いでしょう。
また筋トレ初心者やガリガリの方は、筋肉がつきやすいという特権というか特徴があります。あまり効率を意識する必要はありません。
増量期と減量期に分けるというのは、効率よくマッチョになるための方法です。
しかし期間は1年くらいを目安に長めに設定する必要があること、実践するにはカロリー計算など食事制限をしっかりする必要がることなど、生半可で出来る方法ではありません。
ダイエットにも言えることですが、肉体改造は自分に合った方法でなければ持続することが困難になります。途中で挫折してしまえば元も子もありません。
自分に合った目標、目標に会った手段を設定することが大事です。